東京大学著作物等取扱規則

(平成16年9月30日東大規則第236号)

第1章 目的

(目的)

第1条 本規則は、国立大学法人東京大学(以下「大学法人」という。)の教職員等が作成した著作物等の取扱いについて規定し、その作成者としての権利を保障するとともに、著作物等の作成及び利用を促進し、学術研究の振興に資することを目的とする。

 

第2章 定義

(定義)

第2条 本規則において、次に掲げる用語は、次の定義によるものとする。

(1) 「著作物」とは、著作権法(昭和45年法律第48号)に定める著作物をいい、以下に例示するものを含む。

イ 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物

ロ 音楽の著作物

ハ 舞踊又は無言劇の著作物

ニ 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物

ホ 建築の著作物

へ 地図又は学術的な性質を有する図画、図表、模型その他の図形の著作物

ト 映画の著作物

チ 写真の著作物

リ プログラムの著作物

ヌ 情報の選択又は体系的な構成によって創作性を有するデータベースの著作物

ル 素材の選択又は配列によって創作性を有する編集著作物(データベースの著作物を除く。)

(2) 「著作者」とは、著作物を創作する者をいう。

(3) 「ソフトウエア著作物等」とは、著作権法第10条第9号に掲げるプログラムの著作物、同法第12条の2に掲げるデータベースの著作物、その他デジタルデータによって構成された映像、画像等の表現物であって本条第1号の著作物に該当するもの、半導体集積回路に組み込まれる電子回路ブロックを記述するデータ、半導体集積回路に組み込まれる回路素子や導線の配置パターンを表現するデータ及びそれらの取扱いを説明する文書をいう。

(4) 「著作者人格権」とは、以下の著作権法第18条第1項、同法第19条第1項及び同法第20条第1項に規定する権利(外国におけるこれらの権利に相当する権利を含む。)をいう。

イ 未公表の著作物を公衆に提供・提示する公表権

ロ 著作物の原作品に著作者の実名又は変名を表示する、又は表示しない氏名表示権

ハ 著作物の同一性を保持し、その意に反して変更、切除その他の改変を受けない同一性保持権

(5) 「著作権」とは、以下の著作権法第21条から第28条までに規定する権利(外国におけるこれらの権利に相当する権利を含む。)をいう。

イ 著作物を複製する複製権

ロ 著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として上演し、又は演奏する上演権及び演奏権

ハ 著作物を公に上映する上映権

ニ 著作物について、公衆送信を行う公衆送信権等

ホ 言語の著作物を公に口述する口述権

へ 美術の著作物又はまだ発行されていない写真の著作物を、これらの原作品により公に展示する展示権

ト 映画の著作物を、その複製物により頒布する頒布権

チ 著作物を、その原作品又は複製物の譲渡により公衆に提供する譲渡権

リ 著作物を、その複製物の貸与により公衆に提供する貸与権

ヌ 著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する翻訳権、翻案権等

ル 原著作物の著作者が、その二次的著作物の利用に関して有する、二次的著作物の利用に関する原著作者の権利

(6) 「職務著作物」とは、大学法人の発意に基づいて教職員等が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除き、データベースの著作物は含む。)であって、大学法人の著作の名義の下に公表するもの、並びに大学法人の発意に基づいて教職員等が職務上作成するプログラムの著作物及び半導体集積回路に組み込まれる電子回路ブロックを記述するデータ、半導体集積回路に組み込まれる回路素子や導線の配置パターンを表現するデータをいう。

(7) 「職務関連著作物」とは、公的研究資金若しくは大学法人が資金その他の支援をして行う研究、又は大学法人が管理する施設を利用して行った研究等につき、当該教職員等が作成したソフトウエア著作物等(ただし、学術論文、個人名義の出版物、講演及びそれらに付随する実験データの図表等は除く。)であって、職務著作物以外のものをいう。

(8) 「教職員等」とは、次に掲げるものをいう。

イ 大学法人の役員、常勤教職員、特定有期雇用教職員、再雇用教職員、短時間勤務有期雇用教職員及び特定短時間勤務有期雇用教職員

ロ イ以外の者であって、職務関連著作物につき大学法人との間で契約が締結されている者

(9) 「その他の研究者等」とは、教職員等以外の者であって、教育、研修及び研究を目的として大学法人が受け入れているものをいう。

(10) 「部局」とは、東京大学基本組織規則第20条から第21条の2まで及び第4章に規定する附属図書館、全学センター及び国際高等研究所に置かれる研究機構、教育研究部局、附属病院及び附属学校並びに同規則第13条及び第18条の規定に基づく本部事務組織及び室をいう。

 

第3章 権利の帰属

(職務著作物の帰属)

第3条 教職員等の作成した職務著作物の著作者は大学法人とし、大学法人はその著作者人格権及び著作権を保有する。

2 職務著作物について疑義を生じた場合は、第11条に準じて部局が決定するものとする。ただし、部局(産学連携本部知的財産部(以下「知的財産部」という。)を除く。)が決定できないときは知的財産部が決定する。決定に対しては、第13条に定める異議申立てを行うことができる。

(職務著作物の管理)

第3条の2 部局は、職務著作物を自己の責任において適正に管理しなければならない。この場合において、複数の部局が職務著作物の作成に関与しているときは、協議により管理する部局を決定する。

(職務関連著作物の帰属)

第4条 教職員等の作成した職務関連著作物の著作者は、当該著作物を作成した教職員等とし、当該教職員等は当該著作物の著作者人格権及び著作権を保有する。

2 職務関連著作物を教職員等及びその他の研究者等以外の第三者(以下「学外者」という。)に有償で提供し若しくは利用の許諾を行う必要が生じた場合(発明等その他の知的財産権の実施許諾等に伴って提供等する場合を含む。)又は当該職務関連著作物の著作権の譲渡を有償で行う必要が生じた場合、当該教職員等は大学法人に届け出るものとし、第12条の規定に従い大学法人が譲渡を受けると決定したときは、当該著作物の著作権を大学法人に譲渡しなければならない。

3 前項に該当しない場合であっても、教職員等が職務関連著作物の著作権を大学法人に譲渡することを希望した場合は、第11条から第16条までの規定に準じて処理する。

4 前2項の規定に基づいて大学法人に著作権を譲渡した職務関連著作物について、その著作者たる教職員等は著作者人格権を行使しないものとする。

(職務関連著作物の管理)

第5条 教職員等は、職務関連著作物を自己の責任において適正に管理しなければならない。

(その他の著作物)

第6条 職務著作物及び職務関連著作物に該当しない著作物の著作者は、当該著作物を作成した教職員等とし、当該教職員等は当該著作物の著作者人格権及び著作権を保有する。

2 前項に規定する著作物であっても、教職員等が当該著作物の著作権を大学法人に譲渡することを希望した場合は、第11条から第16条までの規定に準じて処理する。

3 前項の規定に基づいて大学法人に著作権を譲渡したその他の著作物について、その著作者たる教職員等は著作者人格権を行使しないものとする。

4 第2項の規定に基づいて大学法人に著作権を譲渡したその他の著作物について、前条の規定を準用する。

(部局の発意に基づくその他の著作物の譲受け)

第6条の2 部局の発意に基づいて教職員等が作成したその他の著作物については、前条第2項の規定にかかわらず、当該部局が必要と認め、かつ、当該教職員等が同意したときは、大学法人は当該その他の著作物の著作権を譲り受けることができる。

2 譲渡の対価その他の譲渡に関する条件は、当該部局と当該教職員等との間で協議をして決定する。

3 譲渡の対価その他の譲渡に要する費用は、当該部局が負担するものとする。

(その他の研究者等の著作物)

第7条 大学法人は、その他の研究者等に対し、規則又は受入契約等により、当該その他の研究者等に対しソフトウエア著作物等の届出を求めることができる。

2 前項に該当するその他の研究者等が次の各号に掲げるソフトウエア著作物等を作成し、かつ、当該著作物に関し第4条第2項に該当する取扱いを行おうとする場合は、第11条から第16条までの規定を準用するものとする。

(1) 教職員等と共同で行ったソフトウエア著作物等

(2) 自身の大学での研究成果にかかわるソフトウエア著作物等

(3) 現在所属する、又は過去に所属した研究室における研究に関するソフトウエア著作物等

3 第1項に該当するその他の研究者等が受入期間中に完成したソフトウエア著作物等について、前項の規定を適用するものとする。

4 前2項に規定する著作物以外であっても、第1項に該当するその他の研究者等が当該著作物の著作権を大学法人に譲渡することを希望した場合は、第11条から第16条までの規定を準用するものとする。

5 本条の規定に基づいて大学法人に著作権を譲渡した著作物について、その著作者たるその他の研究者等は著作者人格権を行使しないものとする。

6 その他の研究者等は、本条の規定に基づいて大学法人に著作権を譲渡した著作物を、自己の責任において適正に管理するよう努めるものとする。

(学外者に作成させる著作物)

第8条 大学法人又は教職員等が、学外者に著作物の作成を委託する場合に、大学法人はその委託契約締結の際、当該著作物の利用に支障を来たさないよう当該著作権に関する必要な処置を行うものとする。

(講義等を第三者に提供する場合における権利の扱い)

第8条の2 大学法人は、第三者に提供する目的で、大学カリキュラムに属する講義等を録画する場合、当該映像の著作物の利用に支障を来たさないよう当該著作権に関する必要な処置を行うものとする。当該講義等を公衆送信する場合(自動公衆送信の場合においては、送信可能化を含む。)についても同様とする。

2 前項の講義等における言語の著作物等(講義に用いる資料を含む。)について著作者となる教職員等は、大学法人の当該著作物の利用に対し、著作権及び著作者人格権を行使しないものとする。

(退職後の取扱い)

第9条 教職員等が大学法人を退職した後においても、在職中に完成した著作物の取扱いについては、本規則によるものとする。

 

第4章 処理手続

(知的財産部による処理)

第10条 本規則に定める著作権の処理は、知的財産部が行う。

(職務関連著作物の認定)

第11条 教職員等は、第4条第2項の規定により大学法人に届け出る必要が生じた場合は、別に定める様式によって、速やかに所属する部局に届け出るものとする。

2 次条第1項の規定に基づいて大学法人が著作権の譲渡を受けないと決定した職務関連著作物においても、新たに第4条第2項に規定する届出事由が生じたとき、又は次条第1項の規定に基づいて大学法人が著作権の譲渡を受けた職務関連著作物に新たな創作が追加された二次的著作物について第4条第2項に規定する届出事由が生じたときは、前項の規定によるものとする。

3 教職員等は、当該著作物の全ての著作者を明確にするとともに、当該著作物が第三者の著作物を利用している場合は、それに関する情報を前2項の届出に付記するものとする。また、当該著作物に関連する他の知的財産(発明、商標等)がある場合にも同様とする。

4 部局は、第1項又は第2項による届出があったときは、その届出に基づき職務関連著作物であるか否かを決定し、その決定を当該教職員等に通知するものとする。

5 部局は、前項の規定による決定後、職務関連著作物と判断した著作物についての届出を知的財産部に案件送付する。

6 部局(知的財産部を除く。)は、第4項による決定を行うことができないときは、知的財産部に決定を委ねることを付記した上、知的財産部に案件送付する。

7 知的財産部は、前項の案件送付があったときは、当該教職員等に届出を受理した旨を通知するとともに、当該著作物が職務関連著作物であるか否かを決定する。

8 知的財産部は、前項の規定による決定後、速やかにその決定を当該部局及び当該教職員等に通知しなければならない。

9 部局が東京大学発明等取扱規則第14条第2項に規定する知的財産室等を設置した場合は、当該知的財産室等が第4項の決定をすることができる。

(譲渡の決定)

第12条 知的財産部は、前条第5項の案件送付があった職務関連著作物又は同条第7項の規定により職務関連著作物であると決定されたものにつき、大学法人が当該著作物の著作権の譲渡を受けることの要否を決定し、その決定を当該教職員等に通知する。

2 教職員等は、大学法人が当該著作権の譲渡を受けると決定したときは、別に定める様式による権利譲渡書を知的財産部に提出しなければならない。

3 教職員等は、前項の決定がなされた著作物につき、知的財産部の求めに従い当該著作物の複製物を知的財産部に提出するものとする。

(異議申し立て)

第13条 教職員等は、第11条第4項若しくは第7項又は前条第1項の決定に異議があるときは、通知を受けた日から2週間以内に異議を申し立てることができる。異議申立ての処理手続は、東京大学発明等取扱規則第18条又は第19条の規定に準ずる。

(譲受補償)

第14条 大学法人は、第12条の規定に基づき著作権の譲渡を受けたとき、当該職務関連著作物を作成した教職員等に対し、別に定める補償金を支払うものとする。

2 大学法人における著作物の技術移転に資するため、知的財産部が必要と認めた場合、大学法人は、教職員等及び第7条第1項に該当するその他の研究者等以外の者、又は大学法人以外の機関から、著作権を譲り受けることができ、前項及び第16条に準じた補償金を支払うことができる。

(権利の保護と技術移転)

第15条 知的財産部は、大学法人が所有する著作権を適切に保護し、その活用を推進するのに必要と判断したときは、適切な技術移転を行う。

2 前項の技術移転には、著作物の使用許諾及び著作権の譲渡を含む。

3 知的財産部は、第1項の権利を保護するために法的手段を講じることができる。

4 知的財産部は、第1項の業務の全部、又は一部をTLO等の第三者に委託することができる。

(利益収入による補償の扱い)

第16条 大学法人は、著作権の譲渡を受けた著作物(職務著作物を除く。)による利益収入を得た場合は、東京大学発明等取扱規則第24条から第27条までに規定する扱いに準じて、収入を分配する。

2 大学法人は、職務著作物の企画あるいは作成にあたって部局の寄与が著しいと認められる場合には、当該職務著作物による利益収入の70%を当該部局に分配する。

 

第5章 雑則

(本規則の改廃)

第17条 本規則の改廃は、教育研究評議会の審議を経て行う。

(他機関との契約等)

第18条 大学法人が他機関と研究に関する契約又は協定を締結するときには、相手機関に本規則の趣旨を説明し、当該契約又は協定を本規則で規定する大学法人及び教職員等の権利を擁護する内容にするよう努めなければならない。

2 前項にかかわらず、大学法人が本規則と異なる内容の契約又は協定を他機関と締結する場合、教職員等は当該契約又は協定の内容を遵守しなければならない。

(既存の契約)

第19条 本規則の施行前に締結された契約により、大学法人と教職員等、その他の研究者等又はそれ以外の第三者との間で著作権の取扱いが合意されている場合は、当該契約の合意事項に従う。

(既存の職務関連著作物)

第20条 本規則の施行前に作成された著作物(職務著作物を除く。)の取扱いは、当該著作者の判断による。ただし、当該著作物が職務関連著作物に該当し、本規則の施行後初めて第4条第2項に該当する事態が発生した場合、又は本規則の施行後に大幅な改造が施された場合は、本規則施行後に作成された職務関連著作物に準じた扱いとする。


附 則

この規則は、平成16年9月30日から施行する。

附 則

この規則は、平成17年4月1日から施行する。

附 則

この規則は、平成18年1月30日から施行する。

附 則

この規則は、平成19年3月22日から施行する。

附 則

この規則は、平成25年4月1日から施行する。