アントレプレナーシップ・チャレンジ2022

 

アントレプレナーシップ・チャレンジ2022

 アントレプレナー道場では、初期のスタートアップのアイデアは「プロダクト(プロトタイプ)を開発すること」と「顧客と話す」ことによって素早く検証する進め方を基本としています。しかし世の中には取り組む価値のある大きなテーマでありながら具体的な課題のブレイクダウンが容易ではないものや、プロトタイプであっても簡単には実装できない種類の事業が存在します。特に環境・気候変動といった地球規模のテーマや大学の研究成果・サイエンスをもとにした事業アイデアは、素早く実装して顧客と話すという方法がしばしば使えません。しかしそうしたテーマもまたアイデアを検証する価値のあるものです。

 2022年度のアントレプレナー道場では、「簡単にはプロダクトを実装できないテーマだが、事業化に挑戦したいアイデアを持つ学生チーム」を主な対象として本アイデアコンテストを実施します。最終発表・審査会では、解決すべき課題へのユニークな視点、これまで存在しなかった解決方法、深い解像度と大きな社会的インパクトを評価しますが、応募時点で課題・解決策・ビジネスモデルなどが完璧である必要はありません。挑戦したいテーマと本プログラムへの十分なコミットメントがあれば、選抜後におよそ5週間、メンターのアドバイスを受けながら最終発表までに解像度を高めていただけるようプログラムを構成しています。

 

本年度の審査結果は下記の通りとなりました。

  • 優秀賞:糺い -AZANAI- 「衣類回収プラットフォーム衣類 = 資源の世界へ」
  • 優秀賞:YUKIYANEN 「雪国に革命を起こす雪発電デバイス」
  • 奨励賞:OurPlanet 「サステイナブル行動を促す恋愛マッチングアプリ Sustinder」
  • 奨励賞:The Qube 「リアルタイム宇宙デブリ監視システム」

ご協力いただきましたメンターの皆様、誠にありがとうございました。

宮内洋宜さま(株式会社QDレーザ)、前田将太さま(匠技研工業株式会社)、小林宏彰さま(UTEC)、縫部喜雄さま(東大IPC)、西村邦裕さま(株式会社テンクー)、宮崎航さま(株式会社ヒトクセ)、長坂英樹さま(東大IPC)、鈴木稔人さま(元株式会社SCHAFT)、Lenney Chin さま(UTEC)、伊藤陽介さま(キュエル株式会社)

 

応募フォーム

2023年1月16日(月) 23:59(JST) までに アントレチャレンジ2022応募フォーム より応募してください

 

プログラム内容

 参加チームは、2/3(金) ~ 3/10(金)のおよそ5週間チーム毎にビジネスアイデアの作り込みを行い、3/11(土)の最終発表・審査会でプレゼンテーションします。まずプロジェクト開始時に活動資金(1~5万円)が各チームに付与されますので本プログラムのためであれば自由に使っていただいて構いません。

 基本的な1週間の活動は、①テーマ領域・競合・技術に対するリサーチ、②顧客候補や専門家に対するヒアリング、③毎週金曜日18:00 -19:00 の定例会(参加者全員集合)における進捗報告がセットになっており、それらを5回繰り返すことでアイデアの解像度を高めて最終発表に臨みます。最終発表・審査会で高い評価を得たチームはプロジェクト継続のための支援金(10~30万円)を獲得できますので、本プログラムではまずそのゴールを目指していただきます。

 またアントレ道場OB/OG起業家、ベンチャーキャピタリスト等の先輩が各チームに専属メンターとしてアサインされます。担当メンターにはプログラム期間中はいつでもアドバイスを求めることができ、メンターはヒアリング先の紹介などもサポートしてくれます。ただし毎週必ず一回は担当メンターへ進捗報告をしてフィードバックをもらう必要があります。進捗報告の内容は定例会における報告と同内容でよく、メンターが定例会に参加できる週は別途の報告は不要です。

 本プログラムに参加することで上記のようなカリキュラムや活動支援金、メンターからのアドバイスのほか下記のようなものが得られます。
  • プログラム同期の仲間。過去参加者からは卒業後も刺激しあえる仲間が最も大きなリワードだったとよく聞きます。コンテストではありますが他チームの参加者と積極的に交流し協力し合うことを推奨します
  • メンターや審査員との継続的な関係。主に起業家や投資家によって構成されていますが、スタートアップと関係なくともプロジェクトに様々な支援を得られる可能性があります
  • アントレプレナー道場コミュニティへの参加。者は毎週金曜日18:00 -19:00 に所定の場所(本郷キャンパス内)へ集合し、全員に対して進捗を報告します
  • 本プログラムのゴールは、各チームが設定したテーマについて課題と解決策の解像度を上げてビジネスアイデアとして提案し、プロジェクト継続のための支援を勝ち取ることです
【重要】新型コロナウィルス感染症の拡大状況によっては、内容の変更または中止の可能性があります。ご理解のうえ応募・参加いただくようお願いいたします。

 

応募条件

  • 東京大学に在籍する学部学生または大学院生2~5名により構成されたチームで応募してください
  • 1名での応募は認められません(チームでの応募必須)
  • アントレプレナー道場の今期S1・S2講義(「アントレプレナーシップI・II」)を未受講でも応募可能です
  • 特別な理由がない限り、メンバー全員が毎週金曜日の定例会へ参加してください
  • 毎週メンタリング(メンターへの活動報告とフィードバック)を必ず受けてください
  • 特別な理由がない限り、メンバー全員が3/11(土)に予定されている最終発表・審査会へ参加してください
  • 他大学の学生は正規のチーム・メンバーに含むことはできません。ただし外部アドバイザーとしてプロジェクトに関わることを拒むものではありません。

応募から開始までのプロセス

  • 2023年1月16日(月) 23:59(JST) までに応募フォームより応募してください。
  • フォームへの入力内容について選考委員から質問がある場合は 1月23日(月) までに応募者へメールでご連絡しますので、その回答を 1月25日(水) までにご返信ください。
  • 書類選考結果に関しては、全ての応募者に対して 1月27日(金) までに通知します。
  • プログラムは 2月3日(金) から開始し、3月11日(土) に終了します。

書類選考について

  • 応募フォームより提出されたビジネスアイデアを選考委員が評価します
  • 書類選考ではアイデアの解決策部分が不十分でも取り組む課題の解像度が高ければ、高く評価します。
  • 選考委員は、アントレプレナー道場講師と、アントレプレナー道場卒業生の起業家やベンチャーキャピタリストなどによって構成されメンターの皆様です
  • 選考方法はメンターによるドラフト会議方式で、上位指名のチームが選抜されます
  • 応募いただいた内容について質問がある場合は、1月23日(月) までに応募者へメールでご連絡します。その回答を 1月25日(水) までにご返信ください
  • 書類選考では最大6チームを選抜する予定です

募集するアイデア

 募集するビジネスアイデアは、「簡単にはプロダクトを実装できないテーマだが、事業化に挑戦したいアイデア」ですが、業種や技術に制限はありません。ただし短期間でのプロトタイプ実装が困難なテーマを対象とする代わりに、ある程度の論文や研究などの科学的エビデンスによる裏付けを求めます(自身の研究である必要はありません)。

 また短期間で簡単に実現できそうなアイデアよりも時間がかかりそうでも最終的に社会的・経済的インパクトの大きいアイデアを高く評価します。応募時点におけるビジネスの蓋然性は求めませんが、リサーチ、ヒアリングとメンターとのディスカッションを通じて解像度を高めてもらうプログラムですので、チームメンバーがスムーズにリサーチができるイメージおよびヒアリング先(当事者や専門家)にコンタクトできるイメージが持てるテーマにしてください。

 最終発表・審査会終了時点ですぐに起業できることは求めず、推奨もしません。本プログラムは参加者が長期的に取り組める事業化プロジェクトのきっかけとなることを目指していますので、参加者の皆様にとってもこだわりの強い領域・研究テーマ・長年の趣味などに関わるアイデアであることをお勧めします。

 

スケジュール

  • 応募締切:1/16(月)23:59
  • 採択通知:1/27(金)
  • 開始:2/3 (金)18:00
  • 定例会:毎週金曜日18:00~19:00(本郷キャンパス)
  • 最終発表・審査会:3/11 (土) PM(ポスターでは3/18と掲載していましたが日程が変更になりました)

最終発表・審査会と表彰

 最終発表・審査会は本郷キャンパス内の会場でオフラインで実施する予定です。各チームには10分間のピッチをしていただき、主催4団体(東京大学産学協創推進本部、東京大学TLO、東京大学協創プラットフォーム開発、東京大学エッジキャピタルパートナーズ)により構成される審査委員会が審査します。

 プロジェクト継続の価値を高く評価されたチームには下記のような活動支援金が授与されるほか、過去の受賞チームの中にはのちに起業して東京大学協創プラットフォーム開発や東京大学エッジキャピタルパートナーズからの資金調達に至ったチームもあります。
 ただ、将来的に起業した参加者の中でも、ほとんどのチームはプログラム終了後すぐに起業したわけではなく、当初のアイデアとは異なる内容で事業化に挑戦しています。プログラム終了後もフォローアップしますので、短期的なマネタイズなどは重視しなくても問題ありません。
 
  • 最優秀賞(1チーム):30万円(活動支援金)
  • 優秀賞(2チーム) :10万円(活動支援金)

過去の受賞アイデア例(※のチームはピボットするなどの上でその後起業)

  • 獣医療向けSaaS
  • ロボットによる体外受精最適化ソリューション
  • 学校現場向けメンタルヘルスサービス
  • 太陽光によるEV充電システムの開発とリース※
  • 旅の360ºVRプラットフォーム※
  • 高齢者が安心安全に自転車移動できる自転車と交通システムの開発
  • 看護師向け作業効率化・早期ストレス発見システム
  • 看板広告取引のオンラインプラットフォーム※
  • プログラミング学習SNS※
  • 人類に新たな会話記憶方法を提供するアプリ開発
  • 獣医解剖学向けMixed Reality教材※
  • 自走式3D-Printingロボットによる高自由度建築事業
  • スポーツ界における電子トレカの発行・流通サービス※
  • 宇宙電力インフラ事業※
  • すべての実験を資産にする実験ノートの再発明
  • みんなであそぶプログラミングスマートトイ

事前説明会

応募検討者向けに、下記の日程でオンラインの事前説明会を実施します。過去の応募アイデアのサンプルなどをお見せしながら質疑応答する予定なので、参加希望者は下記フォームよりご登録ください。

日時:2023年1月6日(金) 18:45-19:30
会場:Zoom
申込:事前説明会登録フォーム へ1月5日(木)23:59までにご登録ください。ZoomのURLを当日メールにてお知らせします

 

FAQ

キャンパス内に掲示されていたポスターには3/18(土)が最終発表・審査会と書かれていましたが、3/11(土)とどちらが正しいですか?

3/11(土)が正しい日程となります。ポスター掲示後に日程が変更されました。

 

他の授業やコンテストで出したアイデアでも応募できますか?

はい、応募可能です

 

このプログラムで出したアイデアを他の授業やコンテストに出すことはできますか?

はい、本プログラムとしては制限はありません。応募したい先のプログラムのルールに従ってください。

 

このプログラムで出したアイデアの帰属はどこになりますか?

100%提案チームのものとなります。プログラム運営が権利主張するようなことはありません

 

同じチームで複数のアイデアを応募できますか?

いいえ、同一チームであればひとつのアイデアに絞ってください。複数のアイデアで迷っている場合は、メールでご相談いただくか1月6日(金)の事前説明会に参加してください。

 

研究室の研究テーマや技術を使ってもかまいませんか?

はい、構いません。ただし研究室の研究テーマや技術を使う際には指導教官や関係者の同意や許可を得てからにしてください。

 

今後特許出願するかもしれない技術を使っています。秘密は守られますか?

今後特許出願する可能性がある場合は、コアな技術情報は公開しないでください。

 

既に起業済みです。応募可能ですか?

はい、可能です。ただしチームメンバーのルールは守っていただく必要があります(同じ会社の人だからといって学外の方をメンバーにすることはできません)。また本プログラムの主旨はアクセラレーションではなくビジネスアイデアの解像度を高めることであることを理解してご応募ください。

 

プログラムの途中で応募したアイデアから別のアイデアに変更することは可能ですか?

はい、可能です。チームメンバーと担当メンターの合意を取ってください。

 

プログラムの途中でチームメンバーの交代は可能ですか?

はい、可能です。ただし加える場合は上限人数5名を超えないようにしてください。減る場合は最少人数2名を割らないようにしてください。

 

プログラムの途中でドロップアウトは可能ですか?

チームメンバー全員の合意があれば可能です。特にペナルティのようなものはありません。

 

プログラム終了後の展開としてはどのような道がありますか?

技術プロジェクトとして小規模な開発支援ができる内容であれば、同じ産学協創推進本部が主催する「SFP」の参加などを経てIPA未踏プロジェクトなど外部の助成金プログラムへ応募するケースが過去にいくつかあります。 また、事業化が近い内容であればUTECの「UFP Grant Track」 や 東大IPCの「1st Round」 などスタートアップ向けの支援プログラムに応募するケースがあります。 ただし本格的な法人化には早くても1年程度はかけることがほとんどで、その間は様々な支援プログラムなどでプロジェクトの検証を進めることになります。

 

同じ時期に同じ産学協創推進本部が主催する「100 Program」や「SFP」との違いは何ですか?重複して参加できますか?

「100 Program」や「SFP」は技術プロジェクトの支援を目的にしているもので、ものづくりに興味がある方はこれらへの応募を検討してください。まだ「アイデア・技術・チームがない」または開発力に自信がないという人は、100 Program へ。既にチームも開発したいアイデアも固まっているという方は、SFP へ。ビジネスに興味がある方は、アントレチャレンジへ応募いただくことを想定しています。

各プログラムはそれぞれある程度のコミット時間を求めるため、重複して参加することはできません。ただし、SFPに不採択だった場合に100 Program または アントレチャレンジのどちらかに応募することは可能になっています。

 

応募フォームのフォーマット

応募フォームの記入項目は下記の通りです。一度送信したあとでも締切までは何度でも更新することが可能です。
 

応募フォームの記入項目

  • 氏名
  • 所属と学年
  • チーム・プロファイル
  • その他チーム情報
  • タイトル
  • 製品・サービス名
  • 今回取り組むアイデアにおける解決したい課題について
  • 今回取り組むアイデアにおける解決策について
  • 今回取り組むアイデアにおけるビジネスモデルと将来的な市場規模
  • 今回取り組むアイデアについて、なぜこの領域のテーマを選んだのですか? なぜあなた達なのですか?(専門性などがありますか?)
  • 今回取り組むアイデアについて、競合になりそうな企業や技術を教えてください
  • (あれば)スライド資料のURL
  • キックオフ後のリサーチプラン
  • キックオフ後のヒアリングプラン
  • プロジェクト資金の使い方
  • なぜ応募しようと思ったのか簡単に教えてください
  • アントレプレナーシップ・チャレンジをどこで知ったか簡単に教えてください

お問い合わせ

お問い合わせは dojo[at]ducr.u-tokyo.ac.jp までメールにてご連絡ください