サブワーキンググループのご紹介

SWG-4:サービス創造

共創によるサービス価値の創造

サービス創造SWG-4では、新たなサービスの創出を実現するための方法論、サービスの評価を研究課題として取り組んでいます。

本研究会に参加しているIT産業サイドには、新しいITサービスや情報サービスなどの創出にあたり、サービスのモデリングやサービスを分析評価する科学的手法や工学的なアプローチに対して強いニーズがあります。東京大学人工物工学研究センターでは、限定合理性や不完全情報下の意志決定や行動主体の分析、システム構成における共創・創発メカニズムの研究に従来から取り組んでおり、上記の産業サイドのニーズとの接点として、「新たなサービスの共創・創発のメカニズム」を主な研究対象として議論を進めてきました。

サービスとしては、顧客や環境への適応を通して価値が創造される適応型サービス、サービスの提供者と受容者により価値が共創されるサービスを研究対象とし、サービス主体とサービス対象間の相互作用を通して、価値が伝播・認識されること、また、新しい価値が創造されることのメカニズムの探求を目標としています。

創発とは、
“要素間の局所的相互作用により大域的挙動が現れ、その大域的挙動が要素の振る舞いを拘束するという双方向の動的過程を通して、新しい機能や形質、行動を示す秩序が形成されること“

東京大学 人工物工学研究センター 上田研究室

SWG-4 メンバー

主査: 上田 完次 教授(人工物工学研究センター)
幹事: 笠原 裕 支配人 (日本電気)
メンバー: 大武 美保子 准教授(人工物工学研究センター)
  藤井 信忠 准教授(人工物工学研究センター)
  西野 成昭 助教 (人工物工学研究センター)
  小泉 敦子 氏 (日立製作所)
  渡辺 理 氏 (富士通研究所)
  中村 英史 氏 (日本IBM)
  森山 由縁 氏 (日本電気)
  山崎 俊太郎 氏 (日本電気)
  井口 浩人 氏 (日本電気)
  細野 繁 氏 (日本電気)

SWG-4の主な研究ターゲット

サービスの創造とは、サービスの場の創造です。サービスの場とは、サービスが発現する場です。 クラスIでは、サービス場を構成するのはサービス(S)だけであり、プロバイダー(P)とレシーバ(R)のみならず、環境(E)も外部環境として扱えます。それゆえ、サービスはあらかじめ設計可能であり、有形製品と本質的に変わりません。

クラスIIのサービス場は、サービスに加えて外部化できない環境が含まれます。それゆえ、変動する環境で動的に適応できるサービス場を構成することになります。

クラスIIIでは、環境だけでなく、プロバイダーとレシーバも内在化される場の構成であり、それらの相互作用でサービスが発現されます。このようなサービスの発現(振る舞い)を外部から観測したとき、それが既存にないのであれば、新奇なサービスが創造されたといっていいでしょう。また、既存に比べコストが小さいのであれば、生産性の高いサービスが創造されたといってもいいでしょう。さらに、場全体の価値が増大したのであれば、新たな価値を創成するサービスの創造ということができます。

本SWGでは、クラスIIとクラスIIIを主な研究ターゲットとして扱います。

サービス創造における課題と分析