サブワーキンググループのご紹介

SWG-3:最適化モデリング

 

サービスの最適化とモデリング(大学における福利厚生を例として)

サービスの最適化という言葉は何を意味するのでしょうか。そもそもサービスというものが目に見えないこともあって、実は、あまりよく分かっていません。しかし現実には、今や経済活動の大きな部分がサービスに関係していて、人々はより良いサービスを求めて情報を収集し、サービスから得られる満足感に対して対価を支払っています。

サービス産業に比べて、製造業では最適化の長い実績があります。1947年にG. Dantzigという人が線形計画法の枠組みを考案したのが最適化法(数理計画法)の始まりとされます。これは現実の最適化問題を数学の問題として記述し、その問題の答えを数学的に求めて、現実問題にフィードバックするという、極く自然な考え方です。線形計画法を中核とする最適化法、あるいは、それを含むオペレーションズ・リサーチの手法は1950代年以降の製造業の成長に大いに役立ってきました。

最適化法において大切なポイントを大別すると、

  • 現実問題を数学の世界にどうやって移す(映す、写す)かというモデリングの問題
  • 数学の問題として定式化された問題をどうやって解くか、という計算とアルゴリズムの問題
  • 数学的な答えをどうやって現実にフィーバックするかというインプリメンテーションの問題
  • 最適化手法全体の構造を整理するための理論的枠組みの問題

などがあります。

SWG-3(最適化モデリング)のグループでは、サービスの最適化について上記の4つの側面を実証的に検討することを狙っています。具体的には、大学ならではの研究領域として「大学における福利厚生」を設定しています。また、机上の空論に陥らないために、東大生協との協力関係の下で現実のデータを用いた現実問題に取り組むことを基本方針としています。

「よく分からない」対象であるサービスを扱う際に、最も問題となるのがモデリングの部分です。これまでの活動の中では、何を最適にすればいいのかについて検討を進めてきました。この研究会から「サービス最適化」と呼ばれる新しい学問領域が育つことを期待しつつ、企業側メンバー、生協メンバー、そして、大学教員が自由な雰囲気の中で議論を戦わしています。

SWG-3 メンバー

主査: 室田 一雄 教授(情報理工学系研究科)
幹事: 丸山 文宏 氏 (富士通研究所)
メンバー: 武市 祥司 准教授(工学系研究科)
  岡野 裕之 氏(日本IBM)
  栗栖 宏充 氏(日立製作所)
  小池 雄一 氏(日本電気)
  神田 陽治 氏(富士通研究所)
  山中 英樹 氏(富士通研究所)
  大本 隆史 専務(東京大学生協)
  岸上 泰士 学生理事(東京大学生協)